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ちょびってどんな子?3(保育園)

ちょびは年少から保育園に入園したものの、実はお兄ちゃんとは別の園だった。これには以下のような事情がある。

年少で小さな田舎の保育園に入園

お兄ちゃんの園(自宅から歩いて10分の学区内)は1学年60人、総勢200人の大所帯。入園を決める際、園長先生に相談したが「『そういう子』はうちの園ではかわいそうですよ~」と遠まわしに断られたのだ。確かに一クラス6人で先生2人ついていたT学園から急に20人のクラスでは、さすがのちょびも戸惑うだろうか?それにあんな断られ方をするならこちらからお断りよ!という気持ちもあって、健診後フォロー機関のF園の、大好きだった園長が異動した保育園にお願いにあがった。田んぼの真ん中にぽつんとある小さな小さな保育園だ。園長先生は快く「いらっしゃい!お待ちしてましたよ!」と腕を広げて迎えてくれた。そしてなんとラッキーなことにちょびの加配に通園施設T学園にいた先生をつけてくれたのだ。各学年1クラスずつ。年少12人に先生二人。広い園庭は全園児が一度に遊んでも広々としている。それぞれの学年にやはり同じ思いを持つ親御さんがいるのだろう、障害を持った子どもたちがいた。

連絡帳も先生が作ってくれて、忙しい中毎日の様子を書いてくれた。私も家でのちょびの様子はもちろんのこと、心の中の思いや愚痴までいっぱい書いた。まるで先生と私の交換日記のようだった。

同じ年少組にはハイパーな多動ちゃんがいて、先生はのんびりのろのろのちょびとちょこまか動き回るのその子を抱え、さぞ大変だったことだろう。でも不思議なことにまったく正反対に見えるこの二人が、しっぽりと車の絵本を見て二人だけの時間を共有したりしているんだよ、と先生が笑いながら話してくれた。きっとなにか通じ合うものがあるんだろうね。その子は先生も私もそしてお母さんもADHDだとばっかり思っていたが、後に正式にアスペルガー症候群と診断された。自閉仲間だったとは!どうりで気が合うわけだ。

そんなパラダイスのような環境の中、ちょびは保育参観や運動会などのイベントも楽しく参加し(もともとみんなと一緒のことをするのには抵抗はない)私もなんかほっと肩から力が抜けた時期であった。

保育園を転園

そんな申し分ない環境だった小さな田舎の保育園。しかし私にはやっぱり心のもやもやがあった。

兄弟別々のままでいいのだろうか?
学区外の保育園で、小学校に持ち上がりのお友達がいなくていいのだろうか?

当時年長さんだったお兄ちゃんのるるは、年少で入園してくるお友達の弟や妹を見て「ちょびだけなんで違う保育園なの?ちょびと一緒に通いたい」とことあるごとに言うようになっていた。違う色の帽子をかぶったちょびを連れてお迎えに行くのでお友達からも「どうして?」と聞かれることが増えた。私も送り迎えはもとより(もう2年間別園でそれは慣れているとは言え)運動会や参観日や行事を二つずつこなさなくてはならないことにほとほと疲れてもいた。

そんな年少の12月。るるの園の園長先生(やんわりちょびの入園を断った先生はその後何の因果かT学園に異動したので、新しい園長先生)が「ちょびくん、ここの園に来ればいいのに」と言ってくれたのだ。なんでも一人手のかかる子が年少にいたのだが、その子が引越しすることになって、加配の先生が手ぶらになってしまうらしい。「春から、なんでこの園に来ないのかなぁと思ってたのよ。兄弟一緒に通うのが自然だと思うよ」と言ってくれた。もちろんちょびの状態や今の田舎の園のよさもわかってくれた上で「お母さんがよく考えて選べばいいよ。ただこっちに来るのだったら、もっとクラスの人数が増える年中さんからよりも、少しでも早く慣れるように1月からのほうがいいんじゃないかな」と。

同じ時期、田舎の園では騒動が持ち上がった。ここの環境を見込んで来年度の入園希望者の中に障害児がたくさんいるというのだ。私が「田舎の園はいいよ~。ちょびはすごく調子いい」というようなことを言ったため、市内のそのスジの親子にどっと噂が広まったようだ。加配のS子先生は半ばパニックで「健常児より障害児のほうが数が多くなっちゃう。加配だってそんなに簡単に増やしてもらえないだろうし、一人ひとり目が行き届かなくなる」もちろんS子先生は交換日記を通して何でも素直に言い合える仲なので私にも正直に言ってくれたんだと思う。でもそれを聞いて私は「お兄ちゃんの園に転園しよう」と心に決めた。後になってS子先生は「あの時はごめんね、お母さんにあんなことを言うべきじゃなかった。不安をあおってしまって」と謝ってくださったけど、悩んでいるときに背中を押してもらったようで私はありがたかった。先生ありがとう。兄弟を一緒に通わせたい、学区内の保育園でお友達をたくさん作ってから小学校に上がらせたい、という私の気持ちをとってもよくわかってくださって、みんな笑顔で賛成してくれた。

そうして9ヶ月お世話になった田舎の園の先生やお友達に涙のお別れをして、年少の1月からちょびはお兄ちゃんと同じ保育園に転園した。

やっと兄弟で同じ園に

たった3ヶ月だったが、兄弟そろって、歩いて通園できた。
この園は小学校の通学路途中にあり、もうすぐ入学のるるにとっても通学の練習になるため、3人で歩いて通うのはとても楽しかった。

なによりるるがとても喜んでくれた。

その日のちょびの園での様子を先生からではなく、るるやそのお友達の口から聞くのは楽しかった。「ちょびね、今日園庭でころんで泣いてた」「ちょびね、○○ちゃんとおててつないでうれしそうにしていたよ」「赤組さんがね、ぼくのこと『ちょびくんのおにいちゃん』ってよんでくれたの」

ちょびの方はというとあまり環境の変化に敏感ではないタイプなので、ニコニコとおともだちのなかに自然に入っていたようだ。ただしばらくの間、絶対園でトイレに行かない、という日が続いた。ちょびなりに見た目ではわからないがストレスを感じていたのだと思う。田舎の園よりもせまくて暗いトイレなので苦手だったかもしれない。

ここの担任の先生はすっごい若くてかわいいアイ先生。加配は同じ年の男の子を持つパートのユーコ先生。二人にとてもかわいがられて、ちょびはすんなりとクラスにとけこんだ。なによりお世話好きな女の子がたくさんいて、われ先にとちょびのそばにやってきて声をかけてくれる。男の子たちは自分のことで精一杯、という感じなのに対して、女の子たちは年少さんにしてすでに人をお世話したいという余裕があるんだね。とにかく私はちょびの周りにいる子たちを自分の子のようにかわいがり、声をかけ一緒に遊んだ。ちょびはあっという間にお兄ちゃんの園でも人気者になった。

年少の発表会 

ちょびがお兄ちゃんと同じ保育園に移って、私はやっと居場所を見つけたような気がした。今まで子ども二人がばらばらのところでお世話になっていて、結局どちらも「うちの保育園」というような愛着がもてなかったのだ。しかし二人がお世話になると先生やおともだちすべてがわがやの宝物となった。

 「うちの園」では2月に生活発表会がある。ちょびが転入してすぐにその練習が始まった。それまで園での様子を本人の口から聞くことがむずかしかったが(給食はお魚だったとか、おやつはドーナツだったとかその程度)この劇の練習がとても楽しかったらしく、ちょびはいろいろなことを報告してくれるようになった。
「ちょびのクラスは『ノンタンの誕生日』をやるの」「ちょびは『ねずみさん』の役なの」「みんなでノンタンにクッキーを焼いてあげるの」それから歌の数々。

最初はこの報告も「本当かな?」と半信半疑だったのだが、連絡帳で先生に確かめたところ「そうですよ」と。ちょびは初めて園での様子を事細かに教えてくれるようになったのだ。

事前の劇の練習は他のクラスや学年の子どもたちがお客さんとなって見せ合いっこする。るるもちょびの劇を見たらしく「ちょび、ちゃんとねずみになってたよ」「ちょびちゃんと上手に唄ってたよ」などとうれしい報告を受けることもあった。

生活発表会当日。パパも休みを取ってビデオを構えてくれた。私たちは「ちょびが泣いたり暴れたりして劇をぶち壊しにしないか」そればかりを心配していた。事実その朝いつもいないパパが一緒に保育園に来るのですでにプチパニックを起こしていた。アイ先生が機転を利かせて「おかあさん、先にちょびくんと一緒に会場を見てきたら?」と言ってくれた。私はぐずるちょびを抱っこして「ちょびはこの舞台でねずみさんになるよ。ママとパパはあっちの席でちゃんと見てるよ」と会場を見せた。ちょびはめそめそしながらも「うん」とうなずいた。アイ先生の元に戻るとちょびは「ねずみさんになるよ~」とお面を受け取りニコニコと準備し始めた。

ちょびのクラスが舞台に上がる。私は席に座らずいつでもちょびをひっかかえて退場できるようにわきの通路に立っていた。ちょびは穏やかな顔で登場した。ねずみ仲間にはいつもちょびをお世話してくれる女の子たちがそろっていた。その子たちが絶妙のフォローをして助けてくれ、ちょびはちゃんとみんなと合わせてセリフを言い、踊り、唄い、おじぎをして終わった。すばらしい出来だった。涙が出た。パパを見ると汗びっしょりだった。握り締めたビデオカメラから湯気が上がっていた(ウソ)。

あとで聞いてみたら舞台のちょびの立ち位置にちょびのマークが貼ってあった。アイ先生は障害児を保育した経験などないし、特別な勉強もしていない。そういうセンスは生まれ持ったものなのだと思う。思い切ってここに入れてみてよかったね。

この子どもたちの8割は同じ小学校に上がる。こんなに小さな純粋な頃からちょびをよく知って助けてくれる子たちが周りにいてくれる環境に、本当に感謝した。ありがとう。これからもよろしくね。

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