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杉様との出会い

杉様とは児童精神科医のS先生のことである。
おそらく自閉症にかかわる生活をしていらっしゃる人には馴染み深いお名前の、あの先生だ。
私はちょびが通園施設T学園に通っている頃、杉様の「発達障害の豊かな世界」という名著を読んだ。先生の自閉症をはじめとする発達障害を持つ人たちに対する優しいまなざしがひしひしと伝わってくるすばらしい本だ。こんな先生にぜひちょびを診てもらいたいものだ。

東京で行われたポーテージプログラムの研究発表会で「発達障害児の早期療育ー自閉症療育を中心に」というタイトルで杉様が講演されることを知り、はるばる出かけた。すばらしい講演だった。おもしろいおじさんだった(失礼)。そして公演が終わって会場近くの荻窪駅で立っているとなんと隣に杉様が。「あ、S先生。先ほどの講演、すばらしかったです。3歳の自閉症の子の親です。愛知県から来ました」「へ~愛知からわざわざ。僕も今から名古屋に帰るところです」電車の中で少し相談にも乗っていただいた。「触覚過敏がひどいんですが」「そういう子は乾布摩擦がいいよ」「にんげんゆうゆうも見ました」「あれ、時間が足りなくてね~言いたいことが言えなかった」…まるで芸能人に会ったシロートのように、私は舞い上がっていた。サインをもらいたかったほどだ。

その杉様がわがやから車でほんの20分ほどのO市に開院予定の「あいち小児保健医療総合センター」にやってくるという噂を聞いた。それまで車で2時間かかる愛知県コロニーまで通っていたので、さっそくコロニーの医師に転院を申し出た。先生は「あちらは虐待児、登校拒否児、それからアスペルガー症候群などの高機能の方専門です」と言った。ちょびみたいな子はおよびでないってこと?と思いながらも食い下がる。「でもうちから近いんです」。先生はう~んとちょびのカルテを見て言った。「そうですね、この子ならS先生の守備範囲でしょう。先生に今度お会いするので、ちょびくんの紹介状を渡しておきます」

当時ちょびは知能検査をするたびに軽度の知的障害と正常知能の間をうろうろしていた。その先生は「この年齢でこれだけのIQが出るのなら高機能と考えられるでしょう」と言う。結局動作性の課題ができないためにIQが低く出てしまうのだ。ものの理解や言葉は年齢相当だという。

まだ開院前の小児センターに予約の電話を入れ、3歳半の12月の始めに初診とあいなった。

杉様の初診。切れ味鋭い診立てと評判なので「自閉症スペクトラム」というあいまいな診断の中でのちょびの位置づけをしっかり聞きたかった。長い長い問診表を書かされたが、私はそれよりもしっかりと細かくまとめたちょびの年表を持参していた。先生にそれを渡すと「いや~すごいな。これ助かります」と喜んでもらえた。臨床心理士の先生と遊んでもらっているちょびをちらちら観察しながら、S先生は

「対人関係はとてもいいですね。おそらく自閉症の診断基準は満たさないでしょう。非定型だと思う」「アスペルガーではないのですが?」「いや、坊やは言葉の遅れがまだあるからアスペタイプではないね。それにアスペだとどんどん手ごわくなるけど、坊やはとても扱いやすくなっているでしょ?これは早期療育の成果もあるけど、高機能広汎性発達障害のなかの非定型自閉症ですね」「いや、先生。でもこの子IQ60台とかでちゃう時もあるんですが…本当に高機能と思ってもいいんでしょうか?」「これだけ話せるしよくわかってるから間違いなく高機能まっしぐら!タイプですね」「はぁ…」「不器用だし感情の起伏が激しいから、調子いいときと悪いときで総IQプラスマイナス40くらいは誤差があるでしょう。同じ子でも100から60くらい差があってもおかしくないから」「はぁ…」「こんなに早くからお母さん色々がんばっているようだから、早期発見早期療育でここまで伸びるといういい見本ですね」そう言われて今までがんばってきたのを認めてもらえたようで、涙が出るほどうれしかった。

S先生は「この子はいい子だ、いい子だ」と目を細めてくれた。帰り際先生にご挨拶するときに「S先生のお目目見て!」と言ったらぴっと気をつけして先生の目を見てちょびは「先生さようなら!」と深々とお辞儀をした。「すごい!さすが!」と先生にほめられてちょびは鼻をふくらませてうれしそうにしていた。私もうれしかった。ちょびに障害があるとわかってから、初めてこの子が誇らしいと思った。

S先生(杉様)との長いお付き合いが始まったのだ。

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ちょびのおかげで「こんにちは」」カテゴリの記事

コメント

fuku_papaさん、お越しいただいてありがとう~。
杉様、本当にくるくるとよく動いて忙しそうですもんね。あんなに偉い先生なのに、待合までわざわざ呼びに来てくれて、いないとロビーのほうまで探しに行ってくれるんですよ(笑)。
本当にいい先生です。

のんびりと始めたココログですが、書き出すとあれもこれもとあふれ出して止まりませんわ。でもログの整理が下手で読みにくいでしょ?今後の課題です。いっしょにココログ楽しみましょう。

めめさん こんにちは
fuku_papaです。

先日娘を連れて杉さまの診察へ行きました。
超多忙な方ですので、診断時間は5分・・・。
最近の娘の様子や相談を聞いてもらいました。
回答が速くて、しかもこちらの予想を超える
内容に思わず「なるほど!」っなることがあり
ます。
親の気のつかない視点からの助言ていいです
よね。ほんと、助かっています。

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このサイトいいですね。どんどん中身も増えて
すごいな-と感心してます。こんどココログのやり方教えて下さい。

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