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ちょびの就学(その4)

最初の学校訪問ではどうなることかと思ったちょびの就学だが、じっくり話し合うこともでき、こちらが「特殊学級でお世話になります」と申し入れをして以来、学校とはとてもいい関係になっている。結局はこちらがどの程度子供のことを把握していて、それをありのままに真摯な気持ちで学校に伝えるか、が大切なのだと思う。

そんな中、11月の終わりに就学児健診が行われた。

「普通級に!」と決めていたらおそらく胃に穴が開いていただろうこの健診も、特殊学級へと決めた段階で「もう何が起こっても大丈夫」とハラをくくった私は、何事にもおおらかになることができ、結果的にちょびもとてもいい状態で受けることができた。長い校長先生のお話も、ちょびは私の隣の椅子に座り大人しく聞いていた。それでも途中で私は折々メモ帳に「こうちょうせんせいのおはなし」と書いて見せて、今何が行われているのか、次は何があるのかを知らせて、ちょびの確認癖を封印。まったく問題なく進んだ。

知能検査でちょっと泣きが入るかな?と思ったが、ちょびの担当に当たった先生は幸いにもお兄ちゃんの担任で、ちょびはにこにこと親の待つ部屋に戻り「せんせいと、おにいちゃんのおはなししたの」とご機嫌だ。人づてに聞いた話だと三角や四角を書かせるなど、ちょびにはできないこともないが、うまくできないとそれだけに立ち直れない危険性があったので、そんな話題で気持ちをほぐしてもらえてよかった。

その一週間ほど後、こちらから特殊の担任の先生に「来年度のことを具体的に相談したい」と申し入れ、話し合いを持ってもらった。正式には3度目となる学校との話し合いの場は、校長は所用で欠席とのことだったが、教頭、教務主任、特殊担任の三人がそろってくれ、こちらの熱意が届いていると確信できた。

教頭が開口一番「で、いったい、この子は、どこがいかんのですか?」

そうでしょうとも。私もそう思うときがありますから…。見たところいつも大人しく座っているし、ちゃんと聞かれた質問には答える。健診でもなんの特別扱いもなく問題なくこなし、知能検査もパス。

私はちょびの特徴をもう一度繰り返した。過敏性があり、大変不器用であること、何か起こったときに自分の気持ちのコントロールがとても難しいこと。普通級でできないわけじゃないと思う。でも学校をちょびの安心できる居場所にするために、最大限の配慮をしたい。普通級ではそれが難しいという事情はよくわかる。だからこそ、あえて特殊級を選び、最初の一年は大切に過ごして基礎をしっかりと作りたい。

3人の先生方はそれぞれに「なるほど…」とうなづきながら真剣に聞いてくれた。そして特殊担任のK先生からは「一番ニガテな状況は?」「なにかとてもこだわっていることはありますか?」「パニックになった場合、気持ちを立て直す方法は?」など、ツボを押さえた質問が出て、さすがしっかりお勉強してくださっている、と感謝。

とにかくちょびの場合、不器用さがあるので、工作、体育、音楽(演奏)、給食など、一般的に交流できそうなものほど支援が必要であること、音源のわからない突然の大きな音(声)はとてもこわがるので、体育館など響く場所で放送が入ったら「あそこがスピーカーだよ。休み時間のチャイムがなったんだよ」などと具体的にどこからなぜ音が出ているのかを教えてあげれば平気なこと。急につかみかかられたり、大声をかけられたりするとパニックになるので、あまり激しい言動のお友達はニガテであること。普通級には保育園からのお友達がほとんどで、みんなちょびのことを本当によくわかってくれているから、ほんの少しの配慮があれば普通級でもやれることが多いはずだということ…。その場で思いつく限りのちょびの特徴をお話した。来年度の学習の参考になるように、あらかじめとってあったK-ABCの検査結果もお渡しできた。

そんな話の途中、ちょびが何か私になにかトンチンカンなことを言った(なんだったかは忘れちゃったけど)。私は思わず「それは違うでしょ」と言ってしまった。ちょびはとたんに顔を伏せてわ~~っと泣き出した。先生方は驚いたと思う。わざとではないけれど、「ちょびはこんな風に失敗を指摘されたり、挫折感を感じたときにすぐに泣きます」と目の前で見ていただけてよかったのかもしれない(ごめん、ちょび)。でもぎゅっと抱っこするとぴたっと泣き止むのを見て「なるほど、こうするといいんですね」とK先生がにっこりしてくれて、よかったよ。なにごとも現場の経験。

ひとしきりちょびの話が終わり「で、実は一番の心配はお兄ちゃんのことなんです」と切り出すと、先生方も「そうなんです。私たちも一番そこを心配しておるのです」と言ってくれた。

特殊学級をどのように説明するのか?ちょびやお兄ちゃんの友達にはどこまで話せばいいのか?必要ならば私がちょびの障害のことを学校で話してもいい。

K先生は言った。「お兄ちゃんにはちょびくんのことをどのように説明なさってるんですか?」
「自閉症とはっきり言ってあります」

K先生はう~んとうなった。私は瞬時に察知した。今の「さくら学級」の二人の男の子は、おそらく診断のしっかりついた障害を持っているわけではないのだろう。2年生頃から教科学習について行けなくなってさくらに来たのだ、と説明されていたから。ちょびが本当に「自閉症」であるとしても、「自閉だからさくらに行く」と説明されては、誤解を招く。

K先生と相談した結果、「さくら学級は『ゆっくり静かにお勉強したい子』が行くところ」という説明をしようということになった。ちょびもまさにそうなのだから。「さくらだったら、普通級で3時間くらいかかることを、1時間でできますよ。ほとんどマンツーマンですから」本当にありがたい。こんないい環境で出発できるのも珍しいのかもしれない。「でもひとつだけ、ちょびが望んだ時にはどんどん普通級に出してやってください。ぜったい隔離はしないでください」とだけは申し入れた。「もちろんですよ」と力強い言葉をいただいて、私は本当に安心した。

「お母さんの前向きな考え方には本当に敬服します。ご期待にこたえられるよう、しっかりやりますから」と言って頂き、私はやっぱり特殊を選んでよかったのだと思った。教頭が一言「見学でご一緒になった方たちは、親御さんがどうしてもとおっしゃるので、普通級に行かれます…」とため息をついたから。先生のお気持ちも、学校の事情も本当に痛いほどよくわかる。どうしても普通級で、と希望される親御さんの気持ちもわからないでもない。

でも学校が大好きになれるよう、学校にちゃんと居場所ができるよう、親と先生ができることは何なのか、よく考えていかなくちゃね。

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コメント

ありがとうございます。

今、まさに悩んでいることでした。

勇気をいただきました。

はじめまして。コメントありがとうございます。記事を読んでいて、王子と似たところがたくさんあるなと、思いました。学校の反応も似てる!うちは、普通級を選択して早速、揉めていますが・・・話しても、わかってもらえる先生かわかりませんが、熱意だけはあるようなので、たくさん学校に出向いて、その都度話あっていこうと思います。王子の事を考えると、学校生活の環境って大事ですから、くじけてなんていられません!

>まんさなさん

本当に就学はあっという間にやってくる…。
でも平成19年度から愛知県でも「特殊学級」という名称を撤廃して、すべての子を普通級籍にして、苦手なところを「特別支援級」で支援、という形になるそうです。うちの学校みたいに現在特殊級がある学校は、籍が普通級に変わるだけで表面上何の変化もないそうですが、まんさなさんとこの学校みたいに特殊級がない学校が、どう変わるか…が見所(?)かと…。

6月頃になったら一度学校を見学がてらお話を聞きに行ってもいいかもしれませんね。先生方に顔を覚えてもらって「熱心な親が来る」と思われるのは後々役に立つと思いますよ。

でも一年先輩が同じ学校にいてラッキーでしたね。うちは本当に孤軍奮闘でした。それクサイ子は結構いるんだけど、普通な子ってことになっているんだなぁ(笑)。

めめさん

お久しぶりです。
ちょびくんの就学、とても興味深く読ませていただきました。うちのちびはちょびくんの1つ下ですので、来年だ、と思いいろいろ考えながら読みました。

うちのちびがいくであろう小学校は普通級しかなく、親の会でいっしょのママによると、校長先生には全く障級を作る意志はないとのこと。(しかもあきらかに自閉の子も通っていることは知られているのに、「そんなお子さん、初めてです!」と言い切った!!)なので、結局そのお子さんは春入園しますが、普通級。かなり不安も多いようです。

そして、来年は私…とひとごとではありません。さてさて、どうなることやら。

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