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ちょびの就学(その1)

お兄ちゃんのときは小学校に入ることを「入学」と言ったはずだ。でも障害を持つ子のギョーカイにおいては、それを「就学」と呼ぶ。年長の夏頃には、お母さんたちは顔を合わせれば「就学、どうする?」という話題で持ちきりだ。

私たちもちょびの就学に関しては、ご他聞にもれず一通り悩んだ。
「就学」に関しての選択肢は、おおよそどの地域でも三つある。
1、養護学校(知的障害と身体障害の各種あり)
2、特殊学級(この場合は学区でなくてもよい)
3、地域の小学校の普通級(いわゆる一般的に当たり前に行くところ)

さて、ちょびの場合、主治医の杉様からは診察のたびに「ちょびくんなら普通学級ですよ、当然」と言われていた。実はこの言葉のために、私たち家族は結構苦しんだという事実があるのだが、杉様はそれだけちょびのことを買っていてくださったわけで、ありがたいことである。

平成17年度から愛知県下では「特殊教育」を「特別支援教育」と改め、今まで特別な教室に集められたな児童のみが対象であった個別指導を、普通級の中にも6%はいるであろうとされる軽度発達障害を持つ児童にも枠を広げようということになっている。つまり普通級にいながらにして個別支援を受けられるという、ちょびのような子たちにはうれしい制度なのだ。主治医の杉様はその制度を愛知県に通した第一人者なので、当然「愛知県にいる限り、ちょびくんのような子は普通級で個別の指導を受けながらやっていける」というわけ。

私たち夫婦は杉様の言葉に後押しされ、6月のある日、ちょびの特徴、学校への要望などを文書にまとめて、電話でアポをとって夫婦二人でちょびを連れて小学校へ挨拶に行った。

挨拶もそこそこに校長が放ったその第一声は、今でも忘れられない。「まだちょびくんをわが校に受け入れられると決まったわけじゃないので、何もお話できることはありません

はぁ~~!?

怒りよりも悲しみよりも「あきれた」という表現がぴったりだ。このおじさん、なに言ってんだろう?真っ白になる頭で続きを聞くと、つまりこういうことだ。「11月に市の就学指導委員会が開かれる。そこでこの子に【養護判定】が出るかもしれないから」「自閉というのは難しい障害ですからね~」「去年も一人自閉の子が相談に来たんですが、結局養護に行かれましたから」

そんな話を20分くらいしただろうか。ひたすら防御防御でこちらが言葉をはさむ隙も、文書を渡す隙さえもない。その間、ちょびはおとなしくソファに座って、出された麦茶を「冷たくておいしいねぇ」と飲んでいた。目の前にいるこの子のどこを見てそんな発言を続けるのだろうか。私は「だめだ、こりゃ」とほとんど話す気力もなくした。

でもちょびのことをもっと知ってもらわなくちゃ。必死で私は校長のマシンガントークをさえぎって言った。「この子は知的な遅れはほとんどなく、主治医のS先生からは普通級を薦められています」……そのとたん、校長の態度が少し変わった。

「いやぁ、主治医がS先生ですか。今や時の人ですからな!私も先日あの先生のお話を聞きにわざわざ行ってきたんですよ…(ここでいかに自分が特別支援教育制度について勉強しているかという自慢が続く)」

よし!わきがあいたぞ!ジャブだ!
「ちょびはS先生とはとても仲良しなんですよ。ね、ちょび」
「うん、S先生大好きだよ」
「そうだよね~。一応ちょびの特徴と、私たちの希望を書いてまとめてきたので読んでください」

隣に黙って座っていた教頭にも一部ずつ文書を渡し、読んでもらった。

「わかりました。そちらのご希望はあくまでご希望としておあずかりします」
「あの~、自閉症の理解のために、こちらの図書室に『光とともに…』を置いていただきたくて、お持ちしているんですが…」
「それはやめてください。受け取れません」

……ちなみにこの学校の2年生にうちのお兄ちゃんがいるわけで、私はPTAの役員もしている。それなのに普通級か特殊学級かを話し合う以前に「この学校に受け入れるかどうか、私は決められない」の一点張り。お役所仕事丸出しだ。仮に今はっきり「受け入れましょう」と発言する権限がないとしても、教育者として、人間として、「お兄ちゃんもいるんだし、うちの学校に来れたらいいね」という気持ちにもならないの?

というわけで、校長との最初の面談は最悪の印象で終わった。でも兄弟別々の学校に行かせる気はさらさらないし、帰り際教頭先生がぽつんと「私はこの子は普通級に行くのが一番いいと思います」と言ってくれた、その一言で救われた。結局校長なんていつまでここにいるかわからないし、お兄ちゃんやその友達、なんと言ってもちょびの保育園の友達がほとんど行く学校。ちょびの行く場所はここ以外ない、と思った。  

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