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お父さんのための自閉症講座

8月28日、夏休み最後の日曜日。

わが町の広汎性発達障害児の自助グループ「くりの会」でお父さんのための自閉症講座が開かれた。

こどもたちとお母さんは日本福祉大学の学生さんたちとともにビニールプールや水鉄砲で夏祭り。

私はちょびを学生さんに託し、本日の講師つぼみの会父親部ウォーリーさんのサポート役をおおせつかった。

お兄ちゃんるるはパパや他のお父さんたちと聴講生だ。

正直3年生のるるに「自閉症講座」は冒険だったが、本人にはすでに「ちょびは自閉症である」ことを話してあるので、るるに「自閉症のお勉強、パパとママと出るか?」と聞いたら、二つ返事で「うん!」と言ったのだ。

内容は、前半1時間は、父親ウォーリーとしての息子の障害受容までの道のり、そしてヘルパーウォーリーとしての思い。

同じ父親として、くりの会のお父さんたちも深くうなづきながら聞き入っていた。

後半1時間はお待たせ、自閉症疑似体験。

私はこの部分のお手伝い。思うツボにはまってくれそうなお父さんをチョイスし、体験してもらう。

その1、動物のカードを三人のお父さんたちに配る。「座ってください」とお願いする。いすのほうにも動物のカードが貼ってあり、何も言わなくてもなんとなく同じ動物のカードのいすに座るお父さんたち。ところが一人だけ違うカードのお父さんがいる。お父さん、オロオロ。私の顔を見ながら「あの、カードが違うんですが…。これでいいの?どうすればいいの?オロオロ」私とウォーリーさんはにこにこ黙って見ている。困って座れないお父さん。見るに見かねて椅子と同じカードを渡すと、安心した顔でそこに座る。

別に「同じカードの椅子に座ってください」と支持したわけじゃないのに、みんな勝手に同じカードのところに座るでしょ。世の中の意味がわかりにくい自閉症の子は、こうやってささやかな手がかりを一生懸命さがすんだよ。

その2、椅子に座ったお父さんたちに、半分に切ったペットボトルをラップでくるんだものを渡す。それを顔に当てて、プーさんのぬいぐるみを会場の中から探してね。視野が狭くなったお父さんたちは顔をキョロキョロさせながら捜す。なにしろはっきり見えているのは、ペットボトルの注ぎ口の大きさだけ。

こんな風にしか見えない子達は、きょろきょろしたり、注意が散漫になったり、多動になったりするのも無理はないね。見えないところから声をかけられても気づかなくて当たり前、急に視野に入ってきたらびっくりするのも当たり前。

その3、一人のお父さんをチョイス(うちのパパりんに決定…笑)。部屋から出てもらう。その間に他の人たちには「これから『ガンダラムジムジ』としか言いませんが、それは椅子を机の中に入れてください、という意味です。ぜったいみなさん教えないでくださいね」。会場に戻されたパパりん、ウォーリーさんに「ガンダラムジムジ」と言われ続け、当惑。オロオロする。ウォーリーさん椅子の絵を見せる。パパりん、ちょっとほっとした顔をして椅子に座る。ところがウォーリーさん「ガンダラムジムジ!」と怒り出す。パパりん、再び当惑。困ってるるに助けを求めるが、るるも答えない(えらいぞ)。そこでウォーリーさん、最終手段の椅子を机に入れる矢印入りの絵を見せる。パパりん「あ~そういうことか!」と椅子をしまい、満場の拍手でほめられる。

自閉症の子は、耳から入る情報に強くない。わからない情報をあびせかけられても、混乱を招くばかり。そして目から入る情報を手がかりにしているのはわかっていても、それが的外れだと、勘違いを招く。

その4、不器用な人の気持ちになってみる。前に三人出てきてもらう。私はここでるるをチョイスした。ちょびの気持ちが少しでもわかってほしかったから。まず大きな軍手をはめてもらう。手の大きいお父さんたちには、指の先をちょっと残してもらう。そしてワイシャツを羽織ってもらって「さぁ、3分あげます。ボタンをぜんぶはめなさい!」。素手では毎日上手にはめているお父さんたちも、悪戦苦闘。汗をかきながら「あれ?あれ?むずかしいなぁ。はまんないなぁ」とつぶやくお父さんたちとるるに、ウォーリーさんは容赦なく「まだできないの!」「あ~もう!早くしてよ!」「どうしたの?ここがまだじゃないの!」と言葉をあびせる。結局全部はまった人はいない(首の第一ボタンは絶対不可能だそうだ)。るるは一つもはめられず、「あ~あせった~」と一言。

不器用な人って、本当にこんな感じなんですって。スキー用の手袋っていう手もあるらしい。いずれにせよ、指先の感覚が鈍くて、細かい作業はできない。気持ちは焦るし、イライラしているのに、さらに周りから言葉をあびせられたら、そりゃイヤになるよね。

実はくりの会ではまだまだお母さん中心で、お父さん方の出席は少ない。広汎性発達障害といっても幅広く、どちらかというとアスペタイプの子が多い、というのもあって、お父さんはもちろん、お母さんの中にもわが子の障害を受容しきれていないご家庭もある。

療育は、まず環境整備から。環境は家の中や予定をを見てわかりやすくする(構造化)ことと、あとは家族の理解も含まれる。お父さん、お母さん、そしてきょうだいがちゃんと理解して、上手に支援すれば、家庭はその子にとって本当に安心できるものになる。安心できる場所があって初めて、外に出て行けるんだよね。

お父さんたちって、なかなかお父さん同士で「自閉症ってさぁ」って話す機会がない。せいぜいお母さんの愚痴を受け止める、疲れたお母さんの家事を手伝う、子供の相手をする、くらいでしょうか。(えっ!それもしない人がいるって?!)

でもこれを機会に「飲み会しましょう!」と声を上げてくれたお父さんたち。お互いに携帯番号を交換し合っていた。

ウォーリーさん、ありがとう。どんな専門家よりも、一人の父親としての声は大きかったよ。

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コメント

はじめまして。

記事読ませて頂きました。
すばらしい活動をされているお父様方がいらっしゃることに感激いたしました。
活動を通し、多くの方が理解を深められることをお祈り申し上げます。
ありがとうございました。

コメント遅れました。
へっぽこ講師のウォーリーです。

実は私、当日はむっちゃ緊張してました。
でも何とか無事に(?)終わってほっとしています。
めめさんにサポート役をお願いして申し訳ありませんでしたが、自分的には絶対に企画倒れにしたくなかったので、知識が豊富なめめさんに振ってしまいました。

参加してくれたお父さんたちに、どこまでのことがお伝えできたか本当に心配ではありますが、当日の皆さんの反応・表情を見た上では、成功だったのではないかと勝手に思っています。

くりの会「おやじの宴」の席には、ぜひ参加(乱入)したいと思います(うた父さんにも声を掛けて・・・爆)。

>snowちゃん

わっしょい!でも疑似体験やる?
でもうた父、みょうに張り切っちゃって、軍手でボタン全部はめきっちゃいそうで、怖い(笑)。

くりの会の飲み会に、わっしょい!の精鋭を送り込む、とウォーリーさんは言っておりました。もちろんうた父が含まれている…?

すごいね~
うた父に 実体験 してもらいたかったなぁ(笑)

小さな会の 大きな動きが きっと実を結ぶ

くりの会大きく前進だね(^^)v

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